添乗員のここだけ話:世間に誤解されてるイメージあるある5選

職業の存在としては多くの人に知られている添乗員。
ですが、実態と世間的なイメージとは違っていて、誤解されていると感じることもしばしば‥

そんなワケで、この記事では「添乗員が誤解されていることあるある」をご紹介したいと思います。

①添乗員=ガイドさんだと思われている

なんとなく同じではなさそうだけど、具体的に何がというとよくわからない線引きの「添乗員」と「ガイド」さん。実際、やっていることは近いのですが、決定的な違いがあります。

それは、現地や施設の案内をしても良い資格の有無

日本や規制が厳しくない国、ツアーの内容によっては、添乗員がガイドさんに近い業務をやることもあります。
でもそれは本来、あまり好ましくない行為です。

なぜなら、ガイドさんはそこを案内する正式な資格を持っていて、認定をされていて、それを仕事としているからです。

例えば、ルーブル美術館のガイドになるには、それなりの勉強をしなければなりません。ガイド資格をとるために、時間もお金もかけているでしょう。だからこそ、ガイドの仕事ができるのです。

私たち添乗員も、自分なりに調べたり勉強はしています。ただ、現地のガイド資格=ライセンスはありません。つまりは、添乗員がガイド業務をするのは違法になってしまうのです(国により)。

ガイドさんはその地や場所のプロ。
ご自分のストックしてる知識のなかから、旅行者にわかりやすいように100あるうち10くらいに要約してくれていることがほとんどです。だからこそ、ガイドさんの話は私たち添乗員も勉強になることがたくさんあります。

添乗員が一番怖いのは、現地で「ガイドさん!」と呼ばれて、勘違いした警察に捕まってしまうこと…(笑)。
その点でも、ガイドさんとは違うという点を覚えておいてもらえたら、大変助かるなぁと思っています。

②いざとなったら添乗員から薬がもらえる!と思われている

「添乗員さんが入れば安心」そう思っていただけるのは本当に嬉しいですし、それこそが私たちがいる意味。
ただどうしても、できないことがお薬に関してのこと。添乗員から薬を渡すということは出来ません

規制が厳しくなかった昔は、やむを得ない状況の際にお客様からどうしてもと頼まれて、こっそりお渡しすることもあったようです。
今ではかなり厳しく規制されていて、添乗員から薬は絶対にお渡しできないというルールになっています。
これについては、全添乗員がかなり強く言われていることです。

薬を処方したり渡したりできるのは、医師、薬剤師の仕事。
添乗員が気軽に「ハイ、いつも飲んでらっしゃるならどうぞー!」とお渡しするわけにはいかないのです。

それで万が一、何か起きてしまっては大変なことになります。会社から救急箱を支給されているわけではないので、「必ず常備薬はお持ちください!!!」というのはこのためです。

いつも元気だから大丈夫!という方でも、環境の変化、水や食事の違い、衛生環境、時差、知らない土地での肉体的&精神的な疲れ…で、どこでどう体調が変化するかはわかりません

普段丈夫な方であっても、胃腸薬、風邪薬、頭痛薬くらいは、最低限用意されていくのがおすすめです。

現地でどうしても薬が必要になったら、薬局で買うor病院に行っていただくしかありません。
もちろん、薬を買いにいったり病院に行くためのサポートは全力でいたします!その時には安心してくださいね。

③給料がいい仕事だと思われている

海外を飛び回っている、英語を使っている=お給料良さそう!カッコイイ!
とっても嬉しい印象ではあるのですが、お給料についてはイメージの真逆です。

きっといろいろと調べていただければわかると思いますが、みなさんが驚くような数字。本気でアルバイトに励んでいる大学生に簡単に負けてしまうと思います(笑)

正社員として添乗員をしている人もいますが、かなりの少数派。多くは派遣で日給or時給制です。そのため給与面での待遇は、長年、添乗員が抱えている悩みのひとつでもあります。

ただ、添乗員という仕事は、お金には変えられない良さが本当にたくさんあります。

海外に行くことができる、いろいろなお客様と出会うことができる、それは本当にやりがいを感じることです。多くの添乗員は、お給料がいい悪いではなく、添乗員でしか味わえないお金以上の価値を感じながらやっているのです。

④どこかのエリアや国の担当や専門があると思われている

「添乗員さんはスペイン担当なんですか?!」など、その国の専門なのかとよく言われることがありますが、基本、専門の国はない添乗員がほとんどです。

アメリカの大自然にいたかと思えば、次は遺跡だらけのエジプト、花の都パリ、そんなこともザラ。

ただ一部の添乗員さんは、イタリア語、フランス語、ポルトガル語など、その言語が完璧な方、ある国に長いこと住んでいた方など、かなりの得意分野がある方は、その国にいく事は多くなります。

行っている回数が多いので、専門っぽくなっているという状況です。

⑤そのツアー会社の社員だと思われている

これは割とオフレコでありつつ、添乗員付きツアーによく参加されている方は知っていることでもあるのですが、多くの添乗員はそのツアー会社の社員というわけではありません

すでに③でも書いた通り、多くの添乗員は派遣会社から派遣されていて、正確にはその旅行会社の社員ではありません。その会社の社員で添乗員という方もいますが、かなり少数です。※ただし旅行会社による

ただし、会社からは「別の会社ですとは言わないように」と言われています。それは「私は別の会社の人間だから」という理由で、お客様の対応のしかたを間違える添乗員もいるからだと思います。

しかしながら、お客様が添乗員がその会社の人間だと思っているから起きてしまう勘違いや、本来なら起きなくて良いトラブルが発生することもあります。だからあえて、私たちはここで正直にお伝えしました。

少なくとも、旅添に関わっているメンバーは、その旅行会社の看板を背負って、その立場でお仕事を担っているという気持ちがある人ばかり。

誠意と責任を持って取り組んでいるということだけは、声を大にして言っておきたいと思っています。

どんな仕事も、表向きと実態は違うもの

以前、CAの方から「華やかに見えて、実際はかなりバチバチですよ(笑)」なんて話を聞いたことがあります。

外から見えるイメージと、実態は結構違ったりするものなんですよね。

でもこの記事を見て、「添乗員って実際そうなんだ!」「添乗員ってなんだか面白そう!」と少しでも思ってもらえたら、このメディアの価値があると思っていたりするのです。

tabiten

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