旅のトラブル:ロストバゲージの確率は?直行便でも起こり得るまさかのエピソード

どんなトラブルが起こるかわからないのが海外旅行。

その一つが、飛行機の荷物に関するトラブルです。海外旅行に行くときに必ずリスクが伴うのが、ロストバゲージ。
添乗員がツアーが始まってすぐ、ハラハラして気を揉む問題のひとつが、このロストバゲージなのです。

ロストバゲージとは

ロストバゲージ(Lost Baggage)とは、荷物の紛失のこと。略して「ロスバゲ」。主に飛行機に乗る際、荷物を預けたものの、なんらかのトラブルで到着予定の空港に自分と一緒に届かないことをいいます。

ロストバゲージに合う確率は?

ロストバゲージに合う確率、これは非常に難しい問題です。
何十年も海外旅行に行ってるけれど一度も遭遇したことがない人もいれば、初海外でいきなり合うという人もいます。

こればかりは本当に運。まったく参考にならない回答ですよね。
ただ、起こりやすい状況というのはあります。

ロストバゲージは乗り継ぎでよく起こる

ロストバゲージが起こるのは、たいてい乗り継ぎがある場合です。

航空社やアライアンス(航空会社のカテゴリ)が同じ場合は、「スルー」と言って最終目的地まで荷物が届けられることになります。この時、なにがどうしてか、荷物が乗り継ぎ空港で見失われたり、積みそびれてしまい、届かないという事になってしまうのです。

あとはここだけの話、ロスバゲが多い航空会社というのもあります。
アメリカの航空会社は多数(●ルタ、●●リカンなど)、ロシアの●●ロフロート、この辺りはかなり要注意です(笑)

またアメリカの空港を経由すると、なぜかロスバゲが多く起こる…。
アメリカ経由で中南米(ペルーやボリビア)に行く場合は、ツアーの中に必ず数名は荷物が届かないという状況になります。

ただし、違う航空会社に乗り継ぐ場合は、乗り継ぎ空港で一度荷物を引き取って再度預け直すということがあります。そういう時は、ロスバゲのリスクは低くなります。もちろん直行便ならほとんど起こりません。

・・というのは日本での話。

ある時、スペイン→フランス間のたった1時間程度のフライトで悲劇がおこりました。

まさかのヨーロッパ間直行便で荷物がこない!

スペインとフランスの2ヶ国をめぐるツアーでのこと。スペイン→フランス間の移動は、スペインのLCCの航空会社でした。

飛行時間は約1時間程度。スペインから搭乗し、あっという間にフランスの空港に到着です。

荷物引き取りの場所で、ベルトコンベアーに流れてくるそれぞれ自分のスーツケースをピックアップ。
ただ、ある1名のお客さまの荷物が、待てど暮らせどやってきません。

ついには、ベルトコンベアーが停止。つまりは「荷物はもうない」ということです。もちろん、そのお客様のスーツケースはありません。

その場にいるスタッフに聞いてみても、「外のカウンターで調べてもらってほしい」とのことで埒があきません。
そう、外国はこういうところもさっぱりしていて、自分の管轄外の仕事や作業に関してはサポートしてくれません( ;∀;)

なすすべなく、その場を手ぶらで出るしかありませんでした。

問い合わせるも荷物の行方はわからない

外にあった航空会社のカウンターで荷物の受け取りタグ、搭乗券などを見せて調べてもらうものの、なんと「わからない」とのこと。

「わからないって…このご時世、システムを調べればすぐにわかるはずでは?」

…というのは、まさに日本的な感覚。
「何でも調べればすぐわかる」「さっきスペインでみんな一緒に預けていたんだから行方不明になるはずがない」
海外では「~はず」「~なのはおかしい」が通用しないことが、まだまだたくさんあるのです。

待ち続けても出てくるわけではなく、むなしく時間だけが過ぎていくだけです。
ひとまずその日の観光、先の行程に進むことに。

この後のスケジュール、帰国日まで泊まるホテルなどをすべて伝え、連絡をくれるように依頼し、荷物追跡コードと検索URLを教えてもらいました。
そうして1名の荷物がないままバスに乗り込み、観光に向かいました。

結局、帰るまで荷物が出てこないというオチ

その日から4日間はフランス観光です。
添乗員として、毎日問い合わせ、毎日検索をかけました。ただ一向に情報が更新されません。

お客さまもはじめは「明日になればわかるだろう」くらいに思っていたのですが、いよいよそういうわけにもいかない状況になってきました。

同行者のお友達に取り急ぎの生活用品を借りてしのいでいましたが、やはり不便極まりない状況です。

幸いなことに海外旅行保険に加入し、なおかつ、荷物紛失時の保証にも入っていたので、生活用品や洋服などは買って過ごすことになりました。
ただ、どうしても日本でなければ手に入らない化粧品類や、日本の電化製品専用の充電ケーブルなどは調達できませんでした。

なんと結局、最終日まで荷物の行方がわからなかったのです。

2日経ったタイミングで、もう新しいスーツケースや身の回りのものは購入していただき、そのまま日本へ帰国しました。

日本に帰国後、最終的には旅行会社のサポートもあり、無事に荷物は自宅まで配送されたそうです。

いざという時役立つのが「海外旅行保険」

何かあったときの保障、それが海外旅行保険です。最近では、クレジットカード付帯のものもあるので、わざわざ入らなくてもすでに加入出来ている方もたくさんいます。

どんな形でも、やはり海外旅行の加入は必須だと思います。

急な体調不良やケガなどで病院に行かなければならなくなった際、海外の医療費はとてつもなく高いです。
そしてこんな風に、まったく想定外にスーツケースが消えてしまうといったトラブルに遭遇するかもわかりません。

使う確率はかなり低くても、安心と安全のためには必ず保険は加入済みで行くようにしてください。

意味のわからないトラブル発生…それが海外

今回のように、直行便で全く行方が分からなくなるというのはかなり稀なケースです。

ただし、こんなあり得ないようなトラブルが起こってしまうのが海外の旅。

万全を期していても避けられないこともあるので、そこでなんとか気持ちを切り替えて旅を楽しんでいただく、そのために日々奮闘している添乗員なのでした。

tabiten

『旅添』は、世界50カ国以上を旅してきた旅好き元・添乗員Anaを中心に添乗員仲間が本当に役立つ旅の情報をお届けする旅メディア。国内外の旅のお役立ち情報を発信しています♪

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