添乗員の一番の任務は、お客さまに安全に楽しく旅行をしていただくことなので、ことさら「安全対策」には目を光らせています。
中にはそれが「しつこい!」「毎日同じことを!」とクレームになったりすることもあるのですが(笑)、盗まれるよりはマシです!(当サイトでもやたらとその手の記事が増えていきます…)
海外における具体的なスリ対策については、こちらの記事も参考にしてみてください。
お客さまがスリや盗難にあう場所は、だいたい決まっています。そのため、ここぞ!という時にさえ気を付けておけば安全に旅はできるんです。添乗員的、スリ・盗難被害に合いやすい5大スポットをまとめてみました。
1位:地下鉄、ホーム、券売機
ほとんどの被害は、地下鉄関係です。タイミングとしては、券売機で財布を出した時、ホームで待っているとき、電車を乗降するとき(=ホームに電車が着いた時)です。
極端なことを言えば、自分以外はすべて危険、疑ってかかったほうがいいと思ったほうが良いくらい(笑)。現地の人ですら、よく被害に合っています。
ちなみに、切符売り場には、駅員を装った詐欺もよくいるので気を付けてくださいね。
2位:美術館、博物館
美術館、博物館。これもまたスリがとても多いところ。
つい作品の鑑賞に夢中になってしまうため、私たちは自分が身につけているものから注意が反れてしまうのです。そういうスキを必ず狙ってきます。
さらに、美術館では大きな荷物をロッカーに預ける人が多く、貴重品のみ持って入ります。そのため、貴重品がわかりやすく、それを盗めばOKなのでリスクが高いのです。
3位:観光地前のチケット売り場
観光地前のチケット売り場は、チケットを買うために確実にカバンをあけてお金や財布を出す場所です。
そのため、一瞬のスキを狙って、奪って逃げていきます。
財布を開きながら「どのチケットにしよう」などと相談して目を離したり、カバンを開けっ放しにしてしまうなど注意力が低下しがちな状況です。
ちょっと周りを見ながら、買うものを決めてから財布を出すようにしてください。
4位:空港、ベンチでの待ち時間
目を離した一瞬のスキに盗難に合うのが、空港です。
スーツケースのような大きなものはそう簡単には持っていかれないでしょう?と思うかもしれませんが、あっという間に持っていかれます。
現地に到着したては長いフライトで疲れていたり、逆に海外に来たという嬉しさでテンションが上がっていて興奮しがち。また帰国時は、その国にもう慣れてしまっていて「あとは帰るだけだし」と気がゆるんでいる、少しそんな時がちょっと危険なのです。
現地の空港に到着し、バス乗り場まで歩いている短い距離の間にスーツケースをひったくられた、ベンチに座っていてほんの一瞬ゴミを捨てにイスを立っただけで置き引きに合ったという話はよくあるのです。
添乗員としては、空港に着いて、ターンテーブルから荷物を受け取ったら、まず第一声。
「このゲートを出たら、絶対に手から荷物を離さないで下さい!」とお伝えするようにしています。
5位:レストランやファストフード店の座席
日本では、大きな荷物を置いておいたら、それがいつの間にか無くなっているということはまずありません。
コーヒーチェーンやファストフード店で荷物を置きっぱなしでトイレに行っても、何の問題もないと思います。
でも海外では逆です。何かを席に置いて離れたら持っていかれます。
ちょっとスマホをテーブルに置いて席を取っておくなどは、日本では当たり前にできる行為ですが、海外では狙われる危険な行為です。
ホテルによっては、朝のバイキングなどで荷物を置いて席取りするのも、できるだけ避けていただくようにしています。そこはお友達やご家族で協力し合って、必ずだれかが見張っているようにする、これだけでも違います。
(実は人がいても、取っていく人は取っていくのです…)
必要以上に怖がらなくてもOK、ポイントを抑えて対策を!
こんなことばかり言うと「全然気が休まる時がないのでは?」と思われてしまうかもしれませんが、ポイントを押さえておけば大丈夫です。
さすがに四六時中、気を張り続けているのは大変です。
この5大スポットに行ったときには、「ここは危険なのだ」と思い出してもらって、ちょっと気を引き締めてもらう。それだけで、ずいぶん違います。
基本、注意深く気をつけていそうな人は狙ってきません。
開放的になるところ、ちょっと気を付けるところ、緩急をつけながら旅を楽しんでくださいね。