乗り継ぎ便を使うときに一番気を付けてほしいのは、同行者やツアーメンバーとはぐれてしまう「迷子」です。
大人になってまさかそんな…ちゃんと話を聞いていて、集合場所もあって、ましてや添乗員さんがいれば大丈夫でしょ?
それが、私たち添乗員がいたとしても、まったくの不可抗力でお客さまが迷子になってしまう場合があるので、ぜひ知っておいてほしいのです。
ドバイ、アブダビ、イスタンブールなどのハブ空港は、想像以上の大きさ
ヨーロッパ、特に人気の観光地であるイタリアやフランスに行く際、乗り継ぎ地としてよく使われるのがアラブ首長国連邦(UAE)のドバイやアブダビ空港などです。このように各国からの乗り継ぎ地として使われる空港を、ハブ空港といいます。
他には、韓国のインチョン国際空港、トルコのイスタンブール空港、シンガポールのチャンギ国際空港なども、ハブ空港として有名です。
このハブ空港…われわれ日本の成田、羽田とは比べものにならない、想像出来ないような大きさなんです。
ツアー旅行の乗り継ぎ便でよく使われて、世界最大規模のハブ空港と言われるのがドバイ国際空港。
総面積は52万8000平方メートルで11階建て。これ、東京ドーム11個分以上の広さです。
どれだけ広いか、イメージつきますでしょうか?
飛行機から降りる時が、運命の分かれ道
飛行機が乗り継ぎ地の空港に着陸してターミナルに降りる場合、たいてい2つのパターンがあります。
ひとつは、「ブリッジ接続」といって飛行機とターミナルが廊下で繋がる場合。
もうひとつが、飛行機から階段で滑走路に降りて、そこからバスでターミナルまで移動する場合です。
はじめのブリッジ接続であれば、まず問題はありません。出てくるところは決まっているので、たいていは出たところで集合することができます。
ただし問題は、後者のバスの場合。
大きな空港だと、バスごとに行先の乗り継ぎターミナルが違っているので、もし間違ったバスに乗ってしまうと、完全に検討違いのターミナルや搭乗口に連れていかれてしまうのです。
「そうは言っても、同じ空港なんだから戻れば大丈夫でしょ?」と思われるかもしれません。
それがハブ空港の巨大さの恐ろしさ…。
ターミナルごとに建物が違ううえ、ターミナル間はモノレールで移動するというところも多くあります。しかも、飛行機を降りてバスに乗ると、長くて20分ほどバスに揺られ、ようやく次のターミナルに移動するという場合もあります。
これでもし、乗り継ぎ時間に余裕がなかったとしたら。
そう、次の飛行機に間に合わないのです。目的地に到着する前から悪夢です…
飛行機の前後で違うバス&ついてみないとわからない恐ろしさ
飛行機のスケジュールが同じであれば、たいていは同じようなスタイルで接続されるのですが、必ずしも毎回同じとは限りません。
しかも、ドバイ経由の飛行機はエミレーツ航空やエディハド航空。
またこの航空会社が持つ飛行機は大きい大きい…。2階建て飛行機もあります。
飛行機そのものが大きいと、出口が一か所ではなく前と後ろの両方に設置され、と機内のCAさんに「どっちからでも降りていいよ!」などと案内されます。
これもまた悪夢の序章。
添乗員や他のメンバーと同じ出口から出てもらえれば確認できるのですが、違う出口から降りてしまい、さらに間違って違うバスに乗ってしまったら…
実際にこれで乗り継ぎ便に乗れなかった、はぐれて合流できなかったというトラブルは頻発しています。
ツアーなら添乗員と同じ出口を、個人の場合は乗り継ぎチケットを係員に見せる
せっかくの短い旅行日程が、乗り継げずに行程が1日減ってしまうなんてもったいないことにはなってほしくありません。
もしツアーを利用する場合は、できるだけ同じツアーメンバーや添乗員と同じ出口を使ってください。
万が一、それが出来ない場合は、バスの前で案内している空港スタッフが必ず誰かはいるので、次の乗り継ぎチケットを見せて、「次の私の行先はコレ!」と次に乗る飛行機をアピールするようにしてください。
特に言葉は必要ありません、ただ見せればOK(笑)。
そうすれば、このバスだよと案内してくれます。
わからないけどなんとなく乗ってしまう…のが一番の命取り!必ずスタッフを捕まえて、確証を得てから乗るようにしてください。
わかりやすくしてくれればいいのに、いつまでたっても改善されないこの仕組み…
私たちは「経由地:ドバイ」と見た瞬間に、まずは全員で第一関門突破しなくてはと身が引き締まる想いをしています。